Zabbixサーバーのアクティブ-アクティブ冗長化

Zabbixサーバーをアクティブ-アクティブ構成で構築することにより、高価な共有ストレージやクラスタソフトウェア、運用に手間のかかるデータベースのレプリケーションなどを導入せずにZabbixサーバーを冗長化することができます。

複数台のZabbixサーバーが常に監視を継続するため、マスターに障害が発生した場合でも切り替え時間による監視の停止や切り替え失敗などの問題が発生することがなく、構成をシンプルに保ち容易に冗長構成を構築・運用することが可能です。

アクティブ-アクティブ構成の概要

監視の構成

アクティブ-アクティブ構成では複数台のZabbixサーバーを構成し、各Zabbixサーバーから監視対象機器の監視を行います。それぞれのZabbixサーバーは独立したスタンドアロン構成であり、独立して監視データを収集・保存します。

Zabbixエージェントは複数台のZabbixサーバーとの通信が可能なため、アクティブ-アクティブ構成の場合でもZabbix標準のすべての監視機能を利用することが可能です。

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監視設定の同期

アクティブ-アクティブ構成では監視設定の追加変更時に双方のZabbixサーバーに同様の監視設定を行う必要があります。Zabbix設定バックアップツールを利用することでマスターからスレーブへの設定同期を自動化することが可能です。

監視設定はマスターのみで行い、スレーブの監視設定はZabbix設定バックアップツールを利用してマスターからスレーブへ定期的な更新を行うように構成します。

Zabbix設定バックアップツールのスレーブ用オプションを利用することにより、スレーブでは不要となる障害通知を自動的に無効化することが可能です。

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マスターの障害発生時

マスターの障害発生時は以下の作業を行います。

  • Webインターフェースの閲覧をスレーブで行う
  • スレーブの障害通知を有効に設定変更する
  • Zabbix設定バックアップツールによる設定の同期を停止する

クラスタソフトウェアでは切り替え時間が発生したり、データベースのレプリケーションを利用している場合はデータベースのマスター昇格作業などが必要となりますが、アクティブ-アクティブ構成ではWebインターフェースからの設定変更のみですぐにスレーブの運用に切り替えることが可能です。

Zabbix設定バックアップツールを利用して障害通知を一括で有効に変更することも可能です。

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Zabbixサーバーの追加

複数台の構成で運用する場合や、故障時にZabbixサーバーを構築し直す場合、新規にスタンドアロンのZabbixサーバーを構築しZabbix設定バックアップツールを利用してマスターから設定の同期を行うことでスレーブとしての運用を開始することができます。

アクティブ-アクティブ構成のメリット

容易な運用管理

スタンドアロンのZabbixサーバーと同様に管理を行うことができ、追加でソフトウェアやハードウェアの管理メンテナンスが不要です。利用するソフトウェアが減ることにより、運用管理の簡略化や障害ポイントの低減に効果があります。

また、ブラウザの閲覧先サーバーを切り替えるのみでスレーブへの運用へと切り替えることができるため、Zabbixサーバーの問題発生時にシステムへ手を加えることなく監視業務を継続することができます。

コスト削減

Zabbixサーバーを動作させるハードウェア以外に、共有ディスクやクラスタソフトウェアを購入する必要がないため、コストを削減することができます。

Zabbix設定バックアップツールはZabbix Enterpriseサポート加入ユーザーであれば無償で利用できるため、追加コストがかかりません。

BCP/DR対応

データベース全体の同期を必要としないため、Zabbixサーバー間のデータ転送量を最低限に抑えることができます。東京、大阪にZabbixサーバーを設置し、双方から監視を行う場合でも安定して監視を継続できます。

万が一Zabbixサーバー間の監視設定同期が失敗した場合でも監視は継続して行うことができ、すでに収集した監視データが破損することもありません。

アップデート作業のリスク低減

マスター、スレーブの各Zabbixサーバーは完全に独立して動作するため、Zabbixサーバーのアップデートを行う場合でも片方から順次アップデート作業を行うことができます。

OSやデータベースのバージョンにも依存しないため、OSやデータベースのアップデートもスレーブから順次行うことが可能となり、アップデート作業にともなうリスクを低減することが可能です。

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